ここで指しますシーリング防水とは、俗に言う「コーキング」材を指します。
不定形の充填剤であり、よく目にするのはホームセンターでも販売されているカートリッジタイプのものがありますが、この材料の主な用途としては、外壁同士や、外壁とアルミサッシの隙間などに充填し、弾力性のあるゴムパッキンのような性質において、防水の役割を果すというものです。
一般的に1成分の場合、全て同じ様なカートリッジに入っている事から、同種のもと捉えられてしまいやすい製品なのですが、使用する部位や用途を考慮して、選択をしなければなりません。
また、カートリッジの場合、よく使われる種類として下表のような3種類があり、大きく異なる性質の違いがあり、耐久性の違いや、接着力の違い、柔軟性の違いなどがあります。
そして、製品(成分)によって使用できる部位にも様々な制限があります。
シーリングは、カートリッジなどから外気にふれることで、空気中の湿気と化学反応を起こすことで硬化する1成分形と、主材と硬化剤を混練することで硬化する2成分形があります。
どちらも同じように柔軟性があるのがシーリング材の特徴ではありますが、ここで指す柔軟性とは「○モジュラス」と言う引っ張り応力のことです。この引っ張り応力とは、硬化したシーリングに外力を加えたことに対して抵抗する力を表していますが、この抵抗する力の強さを「高・中・低」と3種類に分けています。
応力=戻ろうとする力が強いので、収縮などの変化の無い基材同士の接着に使用する材料となります。
応力が弱いという事は、戻ろうとする力が弱いという事になります。
たとえば窯業系サイディングなど、基材の乾燥収縮が大きな製品の目地に用いる際に必要な特性となり、ここで戻ろうとする力が強い材料を使用してしまうと、シーリング材と接着している基材表面が剥がれてしまったりするトラブルにつながってしまう事もありますので注意が必要です。
また、これら特性とは別に、シーリングに塗られた塗料に起こる現象の一つに、シーリングの柔軟性を維持する成分と塗料が反応して起こる「ブリード」と言う現象があります。
これは、シーリング材に含まれる可塑剤等の成分と塗料が化学反応を起こすことで、その部分が黒くベタベタとした汚れとなってしまう現象です。
現在販売されている材料は、NB(=ノンブリード)と言う、ブリード汚染防止対策が採られた製品もありますので、塗装の有無に応じて、これらを使い分けることが必要になりますし、シーリングとは、それだけ熟慮して使用すべき材料となるのです。