防水とは、屋上やベランダに施工するもの、外壁に施工するものなど、多くの種類が存在しています。
施工される部位、そこに関わる素材、求められる強度や機能など、これらによって選択が変わるのですが、全てに共通することが一つだけ、それは「水を浸入させないための連続面を作る(水を溜めることが出来る膜・層の連続性を有する)」という事があります。
※溜めることが出来るだけで、全てが長期間という意味ではない
この連続性があってこそ、雨水から建物を保護できるのですが、目的はシンプルでありつつ、有機物を用いた素材だけに、自然の力を大きく受ける中、とても過酷な要求をされる部位であると言っても、過言では無いと思います。
などが挙げられますが、これら防水も、新築などでの新規施工と、改修工事での施工には、工程に大きな隔たりがあります。
それらは、下地の状態により、向き不向き、適材適所が存在するのです。
シーリングとは、歯磨き粉のような粘度の防水材を、外壁の継ぎ目、ひび割れ部分などに充填するものです。
そして下地の素材、収縮の度合いによって、使う材料、性質が変わってきます。
下地の収縮によりシーリング材自体に掛かる負荷について、引っ張られる力を緩和させる度合いを表す表記があり、それを「モジュラス」と言います。
この引っ張り応力とは、下地の収縮によって引っ張られる力に対し、戻ろうとする力の強さを表します。
なので、収縮などの動きが無い「ガラス」などは高モジュラスを用い、「窯業サイディング」など、乾燥収縮が大きな素材においては低モジュラスを用いるのです。
下地に密着させることで一体化させる方法であり、下地が乾燥している健全な状態であれば、この工法を採用することが出来ます。
通気性を持つシートを張り、その上に塗膜防水を塗布する工法で、シートの下で蒸気となった水分を、脱気筒を用いて逃がすことの出来る、改修工事で採用される工法です。
鋼板やビスなどを用いて、面ではなく、多くの点で、機械的に固定する方法であり、改修工事で多く採用される工法です。
それぞれの防水材、それぞれの工法は、下地の素材、状態により、向き不向きが存在するため、一概にどの防水・工法が優れているというようには分けることが出来ませんが、それぞれの特徴を踏まえ、最適な防水工事を提案するのも、プロとしての責任なのです。