ラムダサイディング(中空セメント板)を張られた建物ですが、設計者の意図により、無塗装のままの状態であり、雨水の浸透を妨げるものが無いセメント板ですから、経年によりコケやカビが建物全体に発生していました。
高圧洗浄にも時間を掛けたのは言うまでもありませんが、それ以上に劣化した中空セメント板への下塗りに大変苦労したことが大変印象的な現場です。
この苦労とは・・・
新品の中空セメント板の場合、基材密度が高いため、浸透力の高い下塗りを1回塗るだけで下塗り(下処理)が終わるのですが、劣化により中性化してしまった基材は、下塗りを塗った先から、あっという間に吸い込まれてしまうため、下塗りを追いかけで2回塗りしつつ、塗り重ね乾燥時間を加味した工程、下塗りを6回(各2回ですから下塗りだけで、なんと12回も・・・・・)も塗らなければ上塗りを塗装できる状態にならないという、完全に予想外・想定外の工事となったのです。
また、上塗りに関して、お客様のご希望により「艶」が無い方がという事で、上塗りの艶調整ではなく、3分艶クリヤー塗料をオーバーコートすることで、耐久性を担保した仕様とさせていただきました。