この素材は、セメント系の素材と繊維を固めた薄い屋根材です。
軽い屋根材として、多くの建物に用いられているのですが、セメント系素材ゆえに、基材表面の塗装が劣化し、ホコリなどの堆積がきっかけとなり保水した状態が作られることがあり、それが苔床として広がり、屋根全体が非常に汚れたように見えてしまうことがあります。
屋根に生えた苔により、非常に劣化をしたように見えてしまうのですが、ここで注意しなけばならないのは、「苔発生=劣化=雨漏り」という公式など、どこにも存在しないという事。
雨漏りにつきましては、「雨漏りについて」の章をご覧頂くとして、「塗らなければ雨漏りをする」という誤った認識を持たないところから、屋根の塗装について考えなければなりません。
ではなぜ塗るのか?となるのですが、新築時の施工に不安な要素がなければ、見た目以外に塗装の意味はありません。
しかし、塗ることにより得られる効果として、屋根材の劣化防止や美観の向上、用いる塗料によっては、素材表面温度の上昇を抑制することで、室内側の温度上昇も出来る限り抑えるようにすると言う付加価値を付与することもあるのです。
1.高圧洗浄作業などによる表面の清掃
2.十分な基材乾燥期間を設ける
3.下塗り(素材表面のみならず、基材に浸透して固める、劣化を抑制する役割)
※ 基材表面の劣化が著しい場合には、下塗りが2回塗り、3回塗りとなる場合も
4.縁切り部材挿入(タスペーサー)
5.上塗り1回目
6.上塗り2回目
※塗料の選択によっては、上塗り工程がさらに増えることも
上記が一般的な工程、方法であり、それぞれの工程間においての乾燥時間なども加味すると、概ね6日以上は掛かる計算となります。