雨漏りを直すと言う工事に関しては、広く二つの言葉が使われています。
ひとつは「雨漏り補修」、もうひとつは「雨漏り修理」。
この二つの言葉には、同じように思えても、実際には大きな違いが存在しています。
この「補修」という言葉を用いる補修工事とは、雨漏りを直すにあたり、簡易的な方法で行うことを示しています。
例えば、雨漏りを直すため、雨漏りの原因となっている部分を根本的に直すための施策をする訳ではなく、シーリング(コーキング)を用いて、表面的な防水措置を取る場合などです。
近い将来雨漏りしている建物を改築する予定があったり、根本的な改善をするには費用面での負担が大きいという場合においては補修をおすすめする場合もございます。
雨漏りとは、雨が室内へと浸入してしまうこと。
建物の基本的な機能とは、雨や風をしのぐことであり、雨漏りが起きてしまっては、建物の基本的な性能を満たしていないという事になります。
もちろん、昨今では、災害につながるような大雨や、猛烈な勢力の台風の影響など、そもそも想定されていた建物の限界を超えるような雨水の影響を受けるケースもあるため、絶対に雨漏りは起こらないという断言はできません。
しかしながら、大雨だからとか、台風だから、という言い訳で逃げてしまうのでは、そもそも普段の雨でも漏るのではないか?という雨漏りリスクが建物のどこかに隠れているという事にもなりかねません。
そこで、建物の基本的な性能である雨や風をしのぐため、どのようにするのか?という事が、雨漏り修理に求められるものであると考えています。
このような考え方のもと、そもそも雨漏り修理とは、屋根や外壁などの雨水侵入口を「ふさぐ」だけでなく、この原因箇所の根本的な解決と同時に、侵入経路や室内を含めての改修工事だと思っています。
もちろん、新築時から雨漏りが起きない建物であれば、なんら問題はないのですが、残念なことに、雨漏りのご相談も、雨漏り修理のご依頼も、一向になくなることがありません。
だからこそ、どのような原因において雨漏りしているため、建物にどのような修理をすべきなのかというご提案をするのが、私どもの使命だと思っています。
また、よくあるのが、シーリング(コーキング)を塗ることで、雨漏りが止まってしまったような錯覚に陥るケースです。
これは、補修作業に入った業者に言えることで、建物の構造を理解し、かつ雨水の浸入経路について理論的な理解が出来ていない場合、本当にその部位にシーリング(コーキング)を施工してよいのかどうか、これを理解していないまま施工されているケースを目にすることがあるからです。
そもそも、建物の設計図を書く建築士に、雨漏りを引き起こさないために必要な雨仕舞についての知識が不足する人も居るぐらいであり、これが雨漏りがなくならない最も困った事実なのです。
雨漏り修理では、特定の修理方法に固執することなく、柔軟な発想において修理方法を考えます。
なぜ柔軟な発想が必要なのかと言うと、根本的な修理を行うために建物の屋根や壁のすべてをやり直す事ができれば、何の問題も起きないのですが、雨漏りをしている面に限定した工事や、素材と相性や改善策として使用でできる素材によって、さまざまな方法を検討する必要があるからなのです。