先日、なんと沖縄県まで雨漏り調査に行ってきました。
それも那覇市内から50キロほど離れた地域であり、南国らしいというか、緑豊かな場所にあるお宅。
まだ数年しか経過していないお宅ですが、引き渡し後1年程度で建設会社は倒産してしまったそうで、今まで自費で補修をしてきが解決していないとの事でした・・・・・。
1泊2日、遠方であることを勘案し、この短い時間で雨漏り調査をし、雨漏り診断をしてくるのが仕事ですが、そもそも、事前情報があまりに少ない。
これは立地条件等のことであり、同じ日本とは言え根本的に気候が違う場所であるため、聞き取り内容だけでは、どうにも原因の予見がしにくいのです。
そのため調査員2名にて、現地へ向かったのです。
今回の調査パートナーは、雨漏り110番グループの東大阪中央店で活動する坂元社長。
ここ数年、雨漏りについていろいろと細かなやり取りをするメンバーの一人ですが、昨年、寝屋川で一緒に雨漏り調査をしたこともあり、スキルも判っていることもあり、良いパートナーの一人です。
午前中の飛行にて那覇に向かい、那覇空港で昼前に集合。
大阪と浜松ですから、片や伊丹空港から、片やセントレアからのフライトで、昼前に那覇空港での待ち合わせです(笑)
そこからレンタカーでおよそ1時間半、現地へ到着し、さっそく1日目の調査開始です。
現地では、二人で手分けして確認を行い、お互いに想像する経路について話し合い、そして確かめをするという作業を行いましたが、お互いに感覚を理解しているためか、粛々と調査は進みます。
調査に際し、サーモグラフィーなどの調査機器も利用していますが、事実確認のためにも散水前後の変化を確認するための補助でしかありませんが、そこそこ大きな機材も持ち込んでいます。
事前調査と位置付けた1日目ですが、翌日の調査準備もあり、一部に散水調査を施してこの日は終了です。
翌日、2日目の調査では、前日の結果も含めて検証し、違う箇所にも散水。
実はこの時点で、調査は事実確認に絞られていました。
これは調査前の話からスタートになるのですが、図面を確認した時点で、建物の立体が概ね頭に浮かび、図面に記載された仕様書を確認することと、現地の写真を見ると、この時点でおよそ雨漏りの被疑箇所について、可能性はイメージしているのです。
その位置関係が全くわからないままですと、そもそも散水する位置すら定まらないので、事前の情報把握は大変重要なんです。
また現地で散水位置を決める際には、頭の中で建物内部を伝う雨水の浸入経路も想定したうえでの事ですから、散水調査とは最終確認と言ったところ。
今回ももちろん、そのことも踏まえて現地入りしているのですが、さすがに遠方ですから、いろいろと思い違いもあるかもしれないということで、念入りに準備しています。
ですが、建物を目の前にするとアドレナリン全開となり、いろいろな部位をさまざま視点で確認してしまいますが、もちろん雨漏り診断することにも全力です(笑)
今回の雨漏り調査、診断の結果についての総論、各論ともに、依頼者があることで触れませんが、このような依頼について思うところもあります。
そもそも、今回のようなケースであれば、新築時の完成時にある程度予見できた可能性が高く、そういう意味では、新築の検査はどこまで行われているのか?という疑問が出てきます。
そこを言ってしまっては、瑕疵担保保険についての話になりますから、元も子もなくなってしまうのでしょうが・・・。
ただし、それらのことを鑑みても、建築業界全体のレベルアップというか、まずは必要最低限、建物に関わる全ての人の意識向上が必須なのだと思います。
話が脱線してしまいましたが・・・・・、2日間の調査を無事終了したものの、帰りの飛行機は、調査が長引いた際の保険として、夕方以降のフライトであったため、若干(?)時間を持て余すことに。
そこで、後学のためにもと、近隣建物を見て回った後に、沖縄の伝統的な建物も見に行きましたが、そもそも沖縄本島を移動して感じたのは、建物大小問わず、ほぼRCだという事。
ごく一部に鉄骨造のビルはありますが、低層のほとんどは住宅を含めてRCばかりでした。
純粋に木造が見られたのは、結局は首里城のみ・・・。
観光地である首里城にて、坂元社長から、ほかの観光客とはまったく違う場所を撮っていると笑われながら、場内を回りました(笑)
観光用とは言え、このような建物が標準だったのか?と思うと、なかなか耐久性を担保するのは難しいのではなかろうか?なんて事も考えてしまいます。
これこそ地域差ですし、その場所で長年良しとされてきた工法もあるわけですから、いろいろ見ることで大変勉強になりました。
もちろん、一般的な建物についても同様です。
さすがにまた沖縄に調査に来ることは無いでしょうから、いろいろな建物を目に焼き付けてきました(笑)
こんな駆け足での出張調査を行ってきたのですが、この2日間、坂元社長と多くの雨漏りについての議論を交わしました。
雨漏り110番グループにおいて、技術統括本部長という役割を担ってますので、各店のレベルアップをバックアップすることも私の仕事ですから、雨漏りについて想いを共有し、かつ技術論を交わすことは、もっとも望ましいことだと思っていますので、そういう意味でも大いに中身の濃い2日間でありました。