日経ホームビルダー連載 「事例で分かる雨漏り修理のツボ」 記事掲載 (2017年9月号) のお知らせです
今号のサブタイトルは 「火災保険で補修費を賄える?
」です
今回の記事では、築35年、瓦屋根の住宅で起きた雨漏り事例についての紹介なのですが、現場へ確認に伺った際、お客様から言われた言葉がありまして、まずはこの問題についての紹介を優先すべきと考えました。
その問題とは、お客様の口から発せられた「雨漏りは保険で直るのか?」と言う事でした。
こちらのお客様宅では、数年前にも雨漏りが起きたとのことでしたが、その際は、台風の直撃により、こちらのお宅だけでなく、浜松近隣を含め、非常に大きな被害が発生したのでした。
この時は、瓦が飛んでしまったり、大きくズレてしまった事により、屋根下地へ雨水が大量に浸入し、そのまま雨漏りにつながっていたようですし、この当時のお客様の記憶も、そのようになっていました。
そのことと今回のことが、どのように結びつき問題になるのか、その答えのカギは、火災保険に付帯する風災・雹災・雪災の補償についてです。
また、このことをどのように悪用されることがあるのかと言うと、火災保険の災害適用がされないような小さな被害を、大きな被害へ見せ、修理費用を保険請求させる手口です。
これは、各損害保険会社においても大きな問題となっておりますし、保険会社だけでなく、保険請求時に関わる鑑定会社においても、問題として厳しいチェックがなされているのです。
ただし、保険会社や鑑定人は理解していても、保険代理店の中には、このような適用範囲やケースについての正確な知識を持たず、契約者に良い顔をしたいのか、安易に「雨漏りしたなら保険が出るかも」なんて言って、住まい手に大きな勘違いをさせてしまうケースもあり、実は弊社がお伺いしたお宅でも、このような話をお聞きしたことがあり、たいへん困惑しましたが、お客様に保険の仕組みや適用範囲についてご説明をさせていただき、ご理解いただいた事がありました。
もちろん、保険対象になる事故ならば、保険が出るに越したことは無いのですから、その場合の対応はしっかりさせていただいております。
今回の記事では、このようなケースについて紹介させていただいておりますが、そもそも、保険代理店がお客様を惑わせてしまうような事があっては困ると思いますし、反面、建物の修理に関わる業者の側も、このようなことについても、正確な知識と判断力をを持っていただきたいと思います・・・。