さる3月7日(水)、東京ビックサイトにて日経メッセ建築建材展が開催されているなか、同会議棟にて開催された日経ホームビルダー専門セミナーのプログラム、「事例で検証 雨漏り多発部位徹底攻略セミナー」におきまして、講師として登壇させていただきました。
今回のセミナーは、日経ホームビルダーの書籍である「雨漏りトラブル完全解決」への反響からこの企画に至ったようで、普段より日経ホームビルダーにて雨漏り連載を執筆しておりますので、白羽の矢がたったようです。
「雨漏りトラブル完全解決」では、2011年に掲載されました1年間の連載記事である「写真でわかる雨漏り」からの抜粋および再編集にて協力させていただき、雨漏りに関わる特集記事においても、事例提供やコメントなど、協力させていただいたため、書籍の中に反映されております。
そしてこの書籍発刊により、日経ホームビルダー編集部へ様々な意見や要望があったとのことですが、このとき大変多かった意見が事例についてだったそうです。
この「雨漏り事例についてもっと知りたい」という要望が多いということは、それだけ雨漏りで困っている、危機感を持っているということの表れだと感じまして、90分の持ち時間を目いっぱい使いまして、雨仕舞の基礎、雨漏り事例、新築時に役立つ知識、修理にあたって気がついた事など盛り沢山で伝えさせていただきました。
講義終了後、質疑応答の時間にもいくつかの質問に回答させていただきましたが、皆さん熱心にメモをとるなどされ、講義をさせていただいたこちらとしても大変嬉しい反応でありました。
セミナー終了後にも、多くの方と名刺交換をさせていただきましたが、その際にも多くのご相談やご質問があり、出来る限りの回答をさせていただきましたが、なかには遠く鹿児島から来られている方がいらっしゃったり、様々な業種、様々な会社の方々とご挨拶させていただきました。
私たちは長年雨漏りに向き合ってきて、この間、多くの雨漏りでお困りのお客様(住まい手さん)と出会ってきてはいますが、一方で建築業界の方々の意識は、いわゆる建物の耐久性に目が行きにくく、謳い文句や数値への信仰ともとれる力の入れようや、意匠のみでしか建物を見れていないようなケースにもあたり、大変悔しく感じてしまうこともしばしばありました。
ですが近年、日経ホームビルダーへの連載などの効果もあるのか、徐々に建築業界内で危機感を持っている方が増えてきたように感じており、雨漏りという業界的には大変地味な内容であり、有料セミナーにも関わらず90人以上の方が参加してくださり、今までの活動が報われたような気がしております。
ただし、今回のセミナーでも皆さんにお伝えしたように、日本住宅保証検査機構(JIO)のデータにもある通り、築浅にも関わらず雨漏り事故の報告は後を絶たず、まだまだ業界全体の意識改革とレベルアップは先が長いと感じております。
だからこそ、雨漏り修理を通じて得た現場の知見を、多くの雨漏り修理現場だけでなく、新築時の事故防止へ役立つものにしなければならないのだと強く思っております。